『ピンパーネル』は1876年に製作されたウィリアム・モリスの壁紙のデザインです。
当時、モリスの自邸「ケルムスコット・ハウス」のダイニングルームの壁面を飾っており、その空間をモリスの秘書は「魔法にかけられた室内空間」と描写していました。
この大胆なデザインで特徴的なのは、大きなスケールで渦巻くチューリップの花とカールする葉。ですが、タイトルには付随的に描かれたちいさな花「るりはこべ」の名が付いています。
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2色展開です。色によって全く印象が違うのは、色の組み合わせの魔法にかかったようです。チューリップか るりはこべ か、どちらかをメインにとらえることによって、また楽しめるデザインですね。
川島織物セルコンHP【Morris Design Studio】
◆ウィリアム・モリス(1834~1896)
イギリスの社会思想家・詩人であり、工芸家・デザイナーでもあるウィリアム・モリスは1834年、ロンドンの郊外に生まれました。「美しいと思わないものを家に置いてはならない」と語り、草花や樹木をモチーフとしたファブリックや壁紙を多数発表し「近代デザインの父」といわれています。